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僕はビートルズ10卷 最終巻 感想(ネタバレ)

ビートルズ
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「僕はビートルズ」あらすじ

今日は、最終巻が出てしばらく経ちますが
「僕はビートルズ」の感想です。

「僕はビートルズ」1卷を読んだときは
「なんて興味をそそる設定の漫画を描いてくれたんだ。かわぐち先生ありがとう。」
という気持ちで一気に読破したのを覚えています。

主人公たち4人はビートルズの大ファンで、ビートルズのコピーバンドとして飯を食べています。
その4人組が、ビートルズデビュー前夜の61年の東京にタイムスリップしてしまうのです。
そして、4人組は61年の東京でビートルズよりも先にビートルズの楽曲を世にリリースしようと企てます。
その真意とは、先にリリースされた楽曲に触発され、
ビートルズが私たちの知らない曲を創作するのを期待するというものでした。

ビートルズのライバルは架空のビートルズ

ビートルズのライバルは架空のビートルズというわけです。
この設定には本当興味をそそられました。
実際のビートルズは、ライバルとなるバンドは数組いたものの解散直前の
1、2年を除けばデビュー以来ずっと作品の質と人気、ともに
シーンのトップに君臨し続けたバンドです。
こんなバンドはもちろんビートルズしか存在しません。

つまり、ビートルズの歴史を覆すということは
60年代のロックシーン、
いや60年代のサブカルチャーの歴史を覆すともいうべき設定なのです。

しかも、「沈黙の艦隊」、「ジパング」などif設定で数々の名作を残してきた
かわぐちかいじ先生が描いているとなれば、期待せざるを得ません。

ビートルズの歴史を覆すことは1960年代!世界のサブカルチャーの歴史を覆すこと!

しかし、期待して2卷、3卷と購読していくうちに期待を裏切られたと思うように・・・。
いつまで経ってもビートルズが登場しないのです。
この漫画は全10卷ですが、
9卷までコピーバンド4人組がビートルズの楽曲を持って成り上がっていく話になっています。
10卷で初めてデビュー前のビートルズが登場し、歴史を変えたことで生まれた一曲が披露されます。
そして、主人公の4人はこの一曲を体験できたことだけで感激し、
歴史の表舞台から姿を消すことを選ぶのです。
そして、物語は終わってしまいます。

一体、主人公たちの当初の野望はどこに消えてしまったのでしょうか?
9卷までいろいろありましたが歴史を変えたのはビートルズの1曲だけです。
ビートルズを変革するということは、
ビートルズに影響を受けた他のミュージシャンをも変革するということです。
つまり、ボブ・ディラン、ビーチボーイズ、フランクザッパ、ローリング・ストーンズなどなどが
創り上げた音楽をも変革してしまうということのはずです。
こんな夢のような物語をどうやって創っていくのかを冒頭で提示しておきながら
60年代のサブカルチャーどころか、ビートルズをも変革しない。

ビートルズというバンドになる意味!

最終巻を読んだ結果、これではビートルズでなくても原作者が好きなバンドである
「僕はポリス」でも「僕はU2」でも成り立ってしまうというのが感想です。
この物語は「主人公がビートルズに成る」という説得力を持っていません。

9卷の原作者の巻末特別コラムを読むと
「ビートルズの作品群に刻まれていたのは、1バンドの歩みを超えたポピュラー音楽の進化の歴史そのものだったのです。」
と書かれています。

正にその通りで、ビートルズに成るからこそはイギリス、アメリカの
ポピュラー音楽の歴史そのものをテーマにするべきだったのです。

*2019年「イエスタデイ」という映画が公開されました。
「僕はビートルズ」と似た設定で、こちらも観て比較してみると面白いです。

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