前回に引き続き、今回も名古屋に味噌煮込みうどん屋の強大な勢力として
君臨している「山本屋総本家」と「山本屋本店」についての記事です。
今回は、両店を徹底比較し、どちらがおすすめなのか分析してみました。
1.ホームページ比較
両店のホームページに自店の味噌煮込みうどんの特色について
書いてありましたのでそこから抜粋し表にしてみました。
「山本屋総本家」の方は、味噌煮込みうどんの特色が分かりやくすく書いています。
これを読むとどうやら山本屋が考案したのは、
①粉と水だけで練って煮込んだ固いうどん
②鰹などのダシに赤味噌、白味噌をブレンドした汁
③土鍋を使って煮込んだ汁の熱さを逃がさない。
④熱いので土鍋の蓋に取り分けて食べる。
ということが分かりました。
一方、「山本屋本店」は最初読むとなんとなく凄い、と感じるかもしれませんが
よくよく読むと抽象的な稚拙な文だと気づきます。
「熟練された職人」、「吟味された小麦粉」、「最高の状態」、「独自の技術」
とか・・・これだけ読むと一体どんなうどんだか分からないですね。
書き手に山本屋総本家の文を読んだ前提で読んでくださいという意識を感じます。
これはもう、「とにかく最高!」、「私ってグレイト!」、
「フィーバー!!」を
連発するテキトー芸人の感性に近いものがあります。
いや、スーパー・グレイト・ゴール・キーパー若林源三の方か?
ただ、ホームページ自体の見やすさは山本屋本店の方がいいです。
2.主なメニューと価格設定(食事編)
●山本屋総本家メニュー(本家)
普通煮込 976円
玉子入煮込 1029円
親子煮込(名古屋コーチン) 1554円
*御飯 210円
●山本屋本店メニュー(栄本町通店)
味噌煮込みうどん 997円
てんぷら 1522円
豆腐とささみ 1522円
名古屋コーチン 1785円
黒豚ロース 1785円
*ごはん(おかわり自由) 315円
この数字だけ見ると分かりませんが
山本屋本店は全ての味噌煮込みうどんメニューに玉子が入っているのと
結構ボリュームある漬物(おかわり自由)が無料で付いてきます。
つまり、山本屋本店の方は数字に見えないお得感があるのです。
しかし真剣に比較してみると、アドバンテージは
32円+漬物(「総本家:玉子入煮込み」と「本店:味噌煮込みうどん」との比較)だけで
名古屋コーチンにいたっては231円逆転しています。
価格帯については、たいした差はないと言っていいでしょう。
メニューについては、豊富な品数があり
リピートしやすい山本屋本店に軍配があがります。
そして、ごはん付きのお得セットメニューがあり、
しかも漬物も御飯もおかわり自由。
山本屋本店の方が庶民の味方的なメニュー設定のように思えます。
しかし、これも真剣に比較すると
「セットお得って言っても元々ご飯105円たけーじゃねえか」
ということを忘れてはなりませんし、
ご飯と漬物おかわり自由って言ってもうどんをメインに食ってんだから
おかわりするほど食べれないということを考え直さなければなりません。
山本屋本店は、庶民の味方を気取っているように見えて、巧妙なのです。
価格帯が実は同じと言ったのはこうゆう所なのです。
3.主なメニューと価格設定(飲んだ場合編)
●山本屋総本家メニュー(本家)
ビール中瓶 525円(スーパードライ、サッポロ黒ラベル)
御酒 525円(愛知県地酒)
お漬け物盛合せ 367円
味噌おでん三本 420円
味噌牛すじ一本 231円
●山本屋本店メニュー(栄本町通店)
生ビール 630円
ビール中瓶 630円(キリンラガー)
日本酒 682円(地酒 国盛)
名古屋コーチン ネギマ2串 924円
かごしま黒豚の冷しゃぶ 924円
炙りししゃも 630円
酒蒸し鶏肉 525円
青唐辛子のだし巻き玉子 525円
本ずわい蟹サラダ 525円
他
飲もうとした場合、山本屋総本家は非常に良心的な価格設定です。
アルコール類、つまみの価格帯ともに安価ですが、
つまみが三品しかないのが残念。
でも、味噌おでん、どて煮(味噌牛すじ)など得意の味噌を使った
名古屋めしの特色を出しているのがいいですね。
味はこの価格帯なのでびっくりするほどの美味しさはありませんが
他県から来た方は、お酒を飲まなくても
ついでに頼んでしまうんじゃないでしょうか。
山本屋本店は、つまみのメニューも豊富です。
名古屋コーチン、かごしま黒豚など高級素材のものもあり、
御酒自体の価格も高いので飲むと高くつきますが、
一人のときなど安くすませようとした場合は、ここでフリーの漬物が活きてきます。
これを肴に飲めばグー!
しかし、自慢のはずの3年かけてじっくり醸造したという味噌を
使ったメニューは味噌もつ焼きのみ。
総本家とあえて違うメニューで勝負しているということなのでしょうか?
コンセプトがバラバラな感じがしてなんとなく納得いかないですね~。
4.まとめ
正直に言えば、味は似ているし、どちらが美味しいとか判断できないので
どっちがおすすめかどうか聞かれるとどっちでもいいように思えますが・・・
初めて味噌煮込みうどんを食べる方には「山本屋総本家」の方がおすすめです。
山本屋本店がいつくらいから台頭してきたか分かりませんが、
ホームページやメニューのこだわりを見ると
長い間かけて味噌煮込みうどんを名古屋名物まで押し上げた功績があるのは
山本屋総本家のように感じます。
味噌系のサイドメニューがあるのもいいですし。
山本屋総本家の店舗は、便のいい名古屋駅近くにある名鉄百貨店9階がおすすめです。
ここには有名な薬味入れもあります。
栄にある本家は薬味入れ、箸など、ここにしかないものがあるのですが
観光客が立ち寄るには立地が悪いですし、お店が狭いのがネックです。
山本屋本店は、こう比較するまで総本家に比べ、コスパ高いと思っていたんですが
そうでもないことに気づかされました。
何よりあのホームページの表面的なことを並べた文や、
名古屋コーチンの価格が高いことから
本当にいい肉使っているのか?監査の必要あり?みたいな疑惑を抱いてしまいます。
栄に行ったときは山本屋本店の方がおすすめですね。
栄本町通店は店内も広く、接客もいいですし、お土産品も売っています。
飲もうとした場合、山本屋本店の方がメニューがそろっているので
友達とかと飲みに行くなら少し高くなりますが、断然ここをおすすめします。