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ヴィンランド・サガ12卷(ネタバレ)感想

ヴィンランド・サガ

11月22日にヴィンランド・サガ12卷が発売されました。

この漫画は、10世紀、主人公であるアイスランド出身のトルフィンの物語です。
父の仇であるアシェラッドの傭兵団で戦いながら
アシェラッドを殺すことを目的に生きてきたトルフィンですが
アシェラッドが野望半ば他者の手によって死んでしまいます。

ここまでが8卷までのあらすじ。
9卷からは、生きる目的をなくしたトルフィンが次なる生きる目的を見つける物語となっています。
8巻までは、ヴァイキングによる戦争の歴史の物語で、
暴力による戦略、戦術、戦闘、一騎打ちまでも描かれていました。
歴史エンターテイメント大作といった内容で、
これまでに日本の戦国時代や三国志の漫画はあっても
西欧の戦争をここまでリアルに描いた作品はなく、
漫画としてもおもしろく描かれていたので楽しく読んでいました。

9卷以降は、トルフィンの精神描写がメインになって
エンターテイメントからは遠ざかって行きます。
ここで幸村誠先生の前作「プラネテウス」を思い出しました。
プラネテウスも物語の後半は「愛」についての物語で
哲学的内容に以降していきました。
ヴィンランド・サガもこの構成だったのです。

トルフィンはおそらく、北アメリカ大陸への移住を果たした
トルフィン・トールズソンがモデルであると推察されます。
また、劇中に登場するアメリカ大陸の発見者レイフ・エリクソンも実在の人物。
コロンブスがアメリカ大陸を発見する数百年前にすでに移住を果たした一族が
いたのを知ったのは、この漫画を読んでいる途中ですが
その場所は「ヴィンランド」と呼ばれたらしいです。

おそらく、父親トールズが殺さずの境地至って
アイスランドに辿りついたように
トルフィンは何らかの境地に至ってヴィンランドに辿りつくのでしょう。
どうやってその境地に至るかは興味あるところですが
それにしても8卷までのテンポの良さとは対照的に
9卷以降テンポが悪いように感じます。
4卷以上かけて描くには少し退屈です。

7卷までの次卷がいつ出るのだろうと待ち望んでいた気持ちは薄まっています。
でも、どう大団円を迎えるのか?
プラネテウス以上の終わり方を期待します。

ヴィンランド・サガ(12) (アフタヌーンKC)

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