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サザンオールスターズ アルバム解説⑪~1989年~90年 サザンオールスターズ~

サザンオールスターズ
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1989~90年 リリース曲「さよならベイビー」他 アルバム「Southern All Stars」

1989年
4月  女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)
6月  さよならベイビー
11月 フリフリ’65

1990年
1月  Southern All Stars(アルバム)

●Southern All Stars収録曲
1.フリフリ’65
2.愛は花のように (Olé!)
3.悪魔の恋
4.忘れられた Big Wave
5.YOU
6.ナチカサヌ恋歌
7.OH, GIRL (悲しい胸のスクリーン)
8.女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)
9.政治家
10.MARIKO
11.さよならベイビー
12.GORILLA
13.逢いたくなった時に君はここにいない

1989年!レイ・チャールズの「いとしのエリー」カバー!と「さよならベイビー」映画、彼女が水着に着替えたらの主題歌に採用!

1989年、桑田佳祐は前年サザンオールスターズを
復活させたことによってサザン名義で活動していたことになっていますが、
自身の映画音楽のための収録と映画制作にとりかかっているので、
ソロ活動の延長ともとれる内容です。
桑田佳祐監督の映画「稲村ジェーン」は、1990年9月に公開となります。

シングル「さよならベイビー」はサザンとして初めてオリコン1位を獲得しましたが、
売り上げとしては、24.4万枚とサザンの中では中堅どころの曲です。
しかし、アルバム「Southern All Stars」は、119.3万枚と初のミリオン超えを達成します。

「女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)」が、TV番組「夢で逢えたら」のオープニングに採用され、
「さよならベイビー」は、映画「彼女が水着に着がえたら」の主題歌に採用されました。

*「夢で逢えたら」は、ダウンタウンとウッチャンナンチャンがブレイク直前に共演した
 フジテレビの深夜枠で放送されたバラエティ番組
*「彼女が水着に着がえたら」は、当時ヒットしたホイチョイ・プロダクションズ3部作と呼ばれる
 映画の一つで、主演が織田裕二、原田知世。脚本は一色伸幸。
 一色伸幸は桑田佳祐と同じ鎌倉学園出身で、この映画全編にサザンのナンバーが使用されました。

1989年、この2枚のシングル以上に話題となったのが、
レイ・チャールズがカバーした「ELLIE MY LOVE(エリー・マイ・ラブ)」です。
ソウルの神様とも呼ばれるレイ・チャールズの「いとしのエリー」のカバーには、桑田もかなり感激したようです。
サントリーウイスキー「ホワイト」のCMソングとして流れ、
全英語詩にも関わらず40.2万枚の売り上げを記録するヒットとなりました。

そして、この年の大みそか、サザンは横浜アリーナで年越しライブを「いっちゃえ’89 サザンde’90」を開催します。
この年から横浜アリーナでの年越しカウントダウンライブは定例化され、サザンファンにとって年末の風物詩になりました。
この年越しライブの成功から数々のアーティストがカウントダウンライブを行うようになっていきます。

限定盤ベスト・アルバム「すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS」に物申す!

1989年7月21日にサザン初のベスト・アルバム
「すいかSOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS」が発売されました。
このアルバムは、「勝手にシンドバッド」から「みんなのうた」までの
デビューから10年間、サザンが発表してきた全楽曲の中からセレクトされた
61曲を年代順に収録した4枚組のCDのボックス・セットでした。

このアルバムは45万セットの限定発売で、ファン向けのアイテム商品です。
予想通りというか、予約の段階で予定数を超えて品切れになり、
「オリコン1位を獲得した最高額のアルバム」(当時の価格は税込1万円)として有名となりました。
今では中古でしか手に入れることのできないので、幻のベスト盤となっています。

この61曲の中身はサザンの10年分の全シングルが入っており、
各アルバムの名曲もかなり網羅されていて、
(抜けているのもありますが)サザン入門者にはうってつけです。
中級編のリスナーくらいまでであれば、サザン10年分はこの4枚セットがあれば
足りると言っていいくらいの、かなりお買い得な内容です。

アーティストによって、
シングルをアルバムに入れるかどうかという商法の違いがあると思いますが、
’70年代以降のロックバンドは、シングルもアルバムに収録されていることが多い。
’60年代のロックバンドのようにアルバムに未収録のシングルが多くある場合は、
シングルだけを集めたシングルコレクションをアルバムとして出してくれていることが多いです。
しかし、サザンの場合はアルバムに入っていないシングルが
かなりあるにも関わらず、シングルコレクションがない状態で、
このデビュー10周年のタイミングが、シングルコレクションを出す絶好の機会でもありました。

だからこそ、文句を言いたいというか
この限定盤の「すいか」こそが後追いファンのためのアイテムであり、
それを蔑ろにし、限定発売にすることで
全シングルと全アルバムを持っているような人にこそ
買ってもらおうと試みるサザン商法には不満がありました。
今でこそサブスクで気軽にサザン全曲聴けるからいいですが、
30年ほど、「ジャズマン」や「わすれじのレイドバック」などの曲は
「すいか」を持っていない人には聴くこと自体が難易度が高かったのです。

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「SOUTHERN ALL STARS」解説

 

桑田佳祐監督の「稲村ジェーン」用の映画音楽は、
1988年11月~1990年7月の長期期間に渡って制作されました。
そのうち、アルバム「SOUTHERN ALL STARS」は、
1988年11月~89年9月の期間に創られたと言います。
このアルバム収録曲からは映画に、ほとんどが挿入されず、
挿入曲は9ヶ月後に発売される映画サントラ「稲村ジェーン」に収録されることになります。

このアルバムは、サザン初のセルフプロデュースとなっていますが
小林武史、門倉聡、松本晃彦、菅原弘明、藤井丈司、木本靖男、梅崎俊春、らが
サポートメンバーとして参加しています。

①「フリフリ’65」のタイトルは、1965年(稲村ジェーン劇中の設定年)に
発売されたスパイダースの「フリフリ」(かまやつひろし作)から。
③「悪魔の恋」は、アルバム制作にあたって最初に制作された曲で、
歌詞に稲村ジェーンがでてくる。
⑤「YOU」は、桑田前作の「悲しい気持ち」系の名曲。
⑥「ナチカサヌ恋歌」のナチカサヌは沖縄の方言で「悲しい」という意味。
沖縄民謡を桑田流にポップにアレンジ。
⑧「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」は、
Netflixのドラマで話題になった当時人気のAV監督村西とおるの影響か?
アダルトビデオをテーマにした曲。
プロモーションビデオには現役AVアイドルの松本まりなが起用され話題に。
⑬「逢いたくなった時に君はここにいない」は、
ベストアルバム(バラッド3)にも収録された人気曲で、後に中村雅俊がカバーした。

「SOUTHERN ALL STARS」感想

 

このアルバムは、雰囲気は前作の「Keisuke Kuwata」のような爽快さはなく、
何となく夏の日の夕暮れを連想させます。
この雰囲気が好きな人はフェイバリットに挙げると思います。

「フリフリ’65」は、「ボディ・スペシャルⅡ」以来のファンクよりのロックナンバー。
ミドルテンポでノリがよく、好きな曲ですが、
リズムを重視した曲を日本人が創るとなると、このレベルが限界なのか?とも思う曲です。

このアルバムのハイライトは
「忘れられた Big Wave」「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」の2曲です。
この2曲は今までになかったビーチ・ボーイズ、山下達郎、直系の曲で、
「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」はシングルとして発売、
「忘れられた Big Wave」は稲村ジェーンの主題歌になる予定だったことから
桑田は、この2曲にある程度の手応えを感じていたと思われます。
しかし、この系譜の曲は、この2曲を最後に創られなくなります。
(正確に言えば、「世に万葉の花が咲くなり」収録のゴスペル風の
クリスマスソング、「IF I EVER HEAR YOU KNOCKING ON MY DOOR」があります。)
おそらく、時間が経つにつれ自分にはしっくりきていないと思い直したのではないでしょうか?
この感覚はリスナーにも言えて、最初はいいと感じますが、
聴きこんでいくと飽きてきます。

このアルバムは捨て曲がなく、サザン全アルバムの中でも屈指の名曲揃いのようにも感じます.
しかし、聴きこんでいくと飽きやすいように思います。
今では、よく聴くのは「フリフリ’65」、「YOU」の2曲くらいです。

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