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サザンオールスターズ アルバム解説⑥~1983年「綺麗」~

サザンオールスターズ
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1983年リリース曲 ボディ・スペシャルⅡ他 アルバム「綺麗」

3月  ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)
7月  EMANON
7月 綺麗(アルバム)
10月 東京シャッフル
11月 Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd.(原由子ソロアルバム)

綺麗 収録曲
1.マチルダBABY
2.赤い炎の女
3.かしの樹の下で
4.星降る夜のHARLOT
5.ALLSTARS’ JUNGO
6.そんなヒロシに騙されて
7.NEVER FALL IN LOVE AGAIN
8.YELLOW NEW YORKER
9.MICO
10.サラ・ジェーン
11.南たいへいよ音頭
12.ALLSTARS’ JUNGO (Instrumental)
13.EMANON
14.旅姿六人衆

1983年「ふぞろいの林檎たち」のヒット!サザンは81年の音楽主義をさらに突き詰めた!

1983年、前年にセールスの目標を達成したサザンオールスターズは
このままの路線を突き進むのではなく、’81年の活動方針に戻る決断をしました。
これは、2年前にできなかったことへの再チャレンジでもありました。
つまり、自分たちが創りたい音楽を追求していきつつセールスも成功させることです。
そして、もちろん、その出来は前作、前々作を上回ることです。

1983年は5月~7月にかけてTBSで放送された
「ふぞろいの林檎たち」が高視聴率を記録します。
「ふぞろいの林檎たち」はBGMにサザンの楽曲が全面的に使われ、
サザンの認知度をさらに上げることになりました。

しかし、売り上げは
シングルの「ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)」こそ
29.3万枚のヒットを放ったものの
「EMANON」7.4万枚、「東京シャッフル」12.3万枚と2年前に逆戻りしてしまいます。
「東京シャフル」に関しては、紅白歌合戦でのパフォーマンスで10万枚を超えたものの
初動売り上げは5千枚だったそうで、桑田曰く真剣に創ったんだけど新鮮味がなかったと語っています。
(確かに、この手の曲は「め組の人」や「ガンモ・ドキッ」(GuGuガンモのアニメOP)の方がよくできてると思います。)
懲りないなあ。とも思いますが
サザンオールスターズが何年もヒットをし続けられているのは
このようにセールスに失敗しても、新しい試みに挑戦し続けているから。
ということを思い知らされます。
新しい挑戦が次なる名曲を生むことに繋がって行きます。

アルバム「綺麗」は、「ステレオ太陽族」をさらに玄人化したような内容になっており、
大衆性に欠けるコンセプトでありながらも59.5万枚のセールスを記録しています。
これは、サザンオールスターズの認知度が年々上がっていったからと推察されます。

ジョイントコンサート(長渕剛との一騒動)と原由子のソロ活動

サザンオールスターズは、1983年も精力的にライブツアーを敢行しましたが
この年はサザン主催で大物ミュージシャンとジョイントコンサートを企画、実行しています。
ジョイントコンサートは今で言う小規模なフェス形式のライブです。

<ジョイントコンサート スケジュール>
7月24日 西武球場 ラッツ&スター、大滝詠一
7月29日 名古屋球場 長渕剛
7月30日 大阪南港 沢田研二、上田正樹、ラッツ&スター
8月6日 北海道/真駒内野外競技場 RCサクセション、小山卓治
8月7日 福岡小戸公演岬 サードワールド、サンハウス、子供ばんど

桑田佳祐が敬愛する大滝詠一と共演し、
このときのラッツ&スター「め組の人」に感化されたのか
サザンは11月、似た「東京シャッフル」をリリースしています。
北海道のRCサクセションとのライブでは、
RCサクセションの初めから総立ちの盛り上がったライブに
桑田はかなり感銘を受けたみたいです。

長渕剛とのライブでは、彼と遺恨を残す?きっかけとなったとも言われています。
これは、芸能界噂話的な話で、事実かは不明ですが、かなり有名な話です。
長渕剛は、会場に来てみると、まるで前座扱いであることに腹を立てたというものです。
そして、メイン?のサザンのライブが終わろうとしていると
桑田は楽屋にいる長渕に会場に戻って欲しいことを伝え、共演が実現。
共演も盛り上がって、桑田がビールか水かを長渕にかけたことも
長渕を怒らせてしまったと・・・。

そして、原由子が第二弾のソロアルバム
「Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd」をリリースしました。
タイトル通り、原由子の出身である横浜を
モチーフにした曲が多数収録されています。
このアルバムは「恋は、ご多忙申し上げます」と
「いちょう並木のセレナーデ」がハイライト。

シングルになった「恋は、ご多忙申し上げます」は
自身の最高売り上げ23.8万枚を売り上げています。
「いちょう並木のセレナーデ」は桑田佳祐の作詞だけど
大学生時代の原由子の視点からの歌詞になっています。
「他の誰かが好きなのは わかってたけど
ノートのコピーを見せるのは いつも私」
なんて、原由子が桑田佳祐のことを想っていた風でリアルです。
それにしてもサザンのメンバーは皆、
エリック・クラプトンが本当に好きなんですね。
クラプトンは何曲もサザンの曲に登場してます・・・。

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「綺麗」解説

「綺麗」は2年前にリリースした「ステレオ太陽族」をさらに洗練したようなアルバムです。
「ステレオ太陽族」にあったAOR的要素をスケールアップさせています。
曲のバリエーションは様々で、曲ごとに何かしら新しいことに挑戦しています。

①「マチルダBABY」シンセサイザー全面使用
②「赤い炎の女」スペイン風歌謡曲
③「かしの樹の下で」ドラムはシモンズ(UKの電子打楽器)
④「星降る夜のHARLOT」中国風日本版レゲエ
⑤「ALLSTARS’ JUNGO」アフリカン・ビート
⑥「そんなヒロシに騙されて」ベンチャーズ
⑦「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」バート・バカラック
⑧「YELLOW NEW YORKER」日本版ロック
⑨「MICO」弘田三枝子
⑩「サラ・ジェーン」サックス
⑪「南たいへいよ音頭」ディズニー的南国音楽
⑫「ALLSTARS’ JUNGO (Instrumental)」
⑬「EMANON」ジャズ
⑭「旅姿六人衆」ビートルズ

様々なワールドミュージックを土台としながら雰囲気はAOR風に統一されています。
(⑥の「そんなヒロシに騙されて」と⑭の「旅姿六人衆」の2曲だけ雰囲気が違います。)
サザン流AORの確立とも言える完成度です。

一方、歌詞にも変革がありました。
②はレズビアンを、③は中国残留孤児を、④は売春婦を歌った曲となっており、
かなり切り込んだ社会派的内容になっています。
シングルになった⑬の「EMANON」の題名は逆から読むとNO NAME。

「綺麗」感想

「綺麗」は「ステレオ太陽族」の上位版とも言うべきアルバムです。
雰囲気が統一されてて、通して聴くとAORとしても聴けます。
そして、このアルバムは全曲クオリティが高いです。
今までのサザンのアルバムには、個人的にどうしても好きになれない
2~3曲くらいの捨て曲があったのですが、このアルバムは捨て曲がありません。

ただ、このアルバムはサザンの代表曲と呼べる曲がなく
個人的にも、そう思える曲は⑭「旅姿六人衆」くらいです。
全曲クオリティが高いといっても、膨大なサザンの楽曲の中から
一曲を選んで聴こうと思ったときに、
このアルバムの中から一曲を選ぶことは、そうそうありません。
聴くとしたらアルバムとしてですね。

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