スポンサーリンク

サザンオールスターズ アルバム解説②~1979年 10ナンバーズ・からっと~

サザンオールスターズ
[ad#co-2]

1979年リリース曲 いとしのエリー C調言葉に御用心 他 アルバム「10ナンバーズ・からっと」

3月  いとしのエリー
4月  10ナンバーズ・からっと(アルバム)
7月  思い過ごしも恋のうち
10月 C調言葉に御用心

10ナンバーズ・からっと 収録曲
1.お願いD.J.
2.奥歯を食いしばれ
3.ラチエン通りのシスター
4.思い過ごしも恋のうち
5.アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
6.アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)
7.気分しだいで責めないで
8.Let It Boogie
9.ブルースへようこそ
10.いとしのエリー

「いとしのエリー」でサザンオールスターズの評価は絶大に!

サザンオールスターズは、2ndシングルに「気分しだいで責めないで」をリリースしています。
1stシングルの「勝手にシンドバッド」よりもアップテンポな曲ですが、歌謡曲よりな曲を創りました。

そして、3rdシングルが1979年3月発売の「いとしのエリー」です。
この曲は、サザンオールスターズの代表曲となりました。
ビートルズでいう「イエスタデイ」のような曲です。
ベスト10(TBSの人気番組)で1位に輝き、
この曲のヒットで’79年の紅白歌合戦にも出演することになります。
売り上げも71万枚を記録しています。
さらには、1983年放送のTBSドラマ「ふぞろいの林檎たち」の主題歌になったことで
日本人への認知度はさらに上がります。

1st、2ndが、お祭り感のある楽曲だったのに対して「いとしのエリー」は
洋楽の王道的なバラードでした。
それまで、サザンオールスターズは、
コミックバンドとしてしか認知されていませんでしたが、
この曲のリリースによって、
ビートルズと同じような実力派ロックバンドであることを認めさせたことになりました。

コミックバンド(一発屋)のイメージを払拭した「いとしのエリー」のリリース時期は計算か?

リアルタイムでサザンのブレイクを体験した明石家さんまは、
このシングルのリリースの流れは当初からの計算だったのでは?と言っていました。
コミックバンドとしてしか認知されず、それも飽きられ始めた時期に
「いとしのエリー」のような王道的バラードのリリース。
世間の評価を覆したことでサザンの評価は急上昇したと。
実際には1stアルバムで曲のストックを出し切っていたので、
当初からの計算ではないと桑田自身が否定していましたが・・・、
「いとしのエリー」のリリースが世間では衝撃だったというのは事実だったのでしょう。

しかし、明石家さんまの考察は半分当たっていているのも事実のようです。
「当初から」ではないにしても
桑田佳祐は客観性を持って、計算ずくで、この曲を3rdシングルにしたようです。
というのも3rdシングルは「思い過ごしも恋のうち」で決まっていたそうなのですが
この曲を3rdシングルに推した経緯があるようです。

桑田佳祐には、自分たちはテレビで大騒ぎするコミックバンドなんかじゃない。
ビートルズの後継者としてのロックバンドだという気持ちがあった。
自分たちのバックグランドに基づいた自分たちが本音で創りたい曲で勝負する。
そうして完成したのが「いとしのエリー」だったそうです。
と言っても創ろうと思いたって、これだけの名曲を創ってしまうのだから凄い才能です。

[ad#co-2]

「10ナンバーズ・からっと」解説

「10ナンバーズ・からっと」は、ジャケットの影響もありますが
70年代風の暗いフォークや歌謡ブルースっぽいイメージのアルバムです。
前作の南国テイストは影を潜め、代わりに一級バラードが収録されました。
洋楽的楽曲でありながら日本的情緒がちりばめられ、
ロックをそれ程聴き込まない人であれば、
このアルバムはロックとは認識せず、歌謡曲と認識すると思います。
ロックでありながら歌謡曲というサザンオールスターズのスタンスが確立!
桑田佳祐のソングライティングの才能が開花したアルバムです。

このアルバムは「勝手にシンドバッド」のヒットでテレビ主演に大忙しの中、創られたといいます。
時間のない中、中途半端に創られたので、桑田佳祐自身は駄作と評しています。
さらに、歌いすぎて喉をつぶしてしまって、喉の状態に満足できない状態でもあったようです。
そのような状態でアルバム収録曲10曲創れなかったのか?
アブダ・カ・ダブラを無理やり2曲に分けて、
レコード時代のA面最後とB面最初に持って来て、強引にコンセプトアルバム風に創っています。

①の「お願いD.J.」。後に桑田佳祐はラジオでこの曲がかかった後
「この曲は若気の至りというか・・・恥ずかしい」と言っていました。
間奏で伝説のDJ、ウルフマン・ジャックの物まねをしています。
本物を聴いたことないのですが、物まねは上手いそうです。
③の「ラチエン通りのシスター」のラチエン通りとは、
茅ヶ崎の国道1号線と海岸の国道134号線を南北に結ぶ道で、2001年に正式名称に。
ルドルフ・ラチエンというドイツ人貿易商の別荘があったことから命名されたそうです。
⑦の「気分しだいで責めないで」は、1stシングルのような曲を創れ!という圧力で
桑田が河口湖のロッジに軟禁された状態で創った曲なのだそう。
「気分しだいて責めないで」という歌詞は、
圧力をかけたレコード会社か、事務所に対してのせめてもの抵抗でしょうか?
そのような経緯で創らされたからなのか、桑田は「史上最低の曲」と後に語っています。

「10ナンバーズ・からっと」感想

桑田佳祐は、このアルバムを一番嫌いと言っていますが、
個人的には、このアルバムが一番名曲が多いと思います。

⑦「気分しだいで責めないで」は歌謡曲的なメロディを持っていながらアップテンポであるという名曲。
勝手にシンドバッドの二番煎じとも言われていますが、
後追い体験の身としては二番煎じ感などはなく、好きな曲です。
④「思い過ごしも恋のうち」もラテンテイストという点では、勝手にシンドバッドの二番煎じですが
メロディは雲泥の差で、この曲の方が断然いいです。

①「お願いD.J.」⑧「Let It Boogie」の2曲は、これ程のノリのある楽曲は、
今でこそ聴けるのだろうけど、当時の日本の楽曲ではなかったのでは?
①も③と同様で優れた歌謡曲のメロディを持った曲です。
⑧は冒頭から始まって「さあぁんきゅ~!」と叫んで(叫び方がいい)からの盛り上がりが最高です。
2曲とも桑田の声のしゃがれ方がいい感じをだしてて好きです。

そして、③「ラチエン通りのシスター」、⑩「いとしのエリー」の2大バラード。
このアルバムで一番好きなのは「ラチエン通りのシスター」 です。
ラチエン通りでよく見かける(近くに住んでいる?)きれいなお姉さん。
好きと言いたいけど、そんな勇気はもちろんない。
そんな情けない状態でも、その人を思い出すだけでいい。

ずっと、そんな歌だと思ってましたが、
ラチエン通りの近くに住んでいた桑田佳祐の小中学生時代の同級生の女性を
歌った曲だったと最近知りました。
桑田は偶然彼女と再会する機会があり、
原由子にプロポーズをしていながら彼女と恋に落ちてしまいます。
でも、すぐに原由子のもとに戻ったそうです。
「どこかで会える。思い出にやさしく酔える。」
という歌詞は、好きだった彼女のことを思い出にするという意味なんですね。

原由子を傷つけてしまった桑田は、謝罪と愛情表現を含めて、ある曲を創ります。
その曲が「いとしのエリー」だとされています。

[ad#co-2]
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました