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ビートルズの凄さ⑥~リボルバーは現代アートか!?録音技術で新たな表現方法を提示!~

ビートルズ
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ビートルズで最も評価されるべきアルバムは「リボルバー」!

1966年8月、ビートルズは「リボルバー」を発表する。
個人的意見ですが、ビートルズが最も評価されるべきアルバムは「リボルバー」だと思います。
なぜなら、最も変化(進化)したにも関わらず最高の楽曲が詰まったアルバムだからです。

「ヘルプ!」⇒「ラバー・ソウル」にも大きな変化がありました。
変化する(しかも全曲)するという決断をしたことは凄いけど
音楽性はフォークへのアプローチです。
リアルタイムで聴いた人は、意外性はあっても
想像がつく音楽の範囲内であったのではないでしょうか?

当時「ラバー・ソウル」⇒「リボルバー」の変化は、どう感じたでしょう?
推測ですが、驚嘆したんじゃないか?と思うんですよね・・・。
ビートルズの音楽の変化というレベルでなく、
ポップ・ミュージックが変化した!というレベルにふさわしく
今まで聴いたことがない曲を連続して聴いていくという感じだったのでは?

「リボルバー」の変化の何が凄かったのか?

ファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」は1日で録り終えていますが、
6作目の「ラバー・ソウル」の録音では、約1ヶ月を費やしています。
売れてスタジオをおさえられるお金があったことも理由ですが、
オーバーダビング等の録音技術の向上も手伝い、試行錯誤する幅が広がったことが原因でした。

7作目の「リボルバー」はというと、約2ヶ月半かけています。
アビー・ロード(録音スタジオ)が、
新しい音をつくる実験場となり、アイディアの討論の場所となり、曲づくりの場となって
単に録音をする場所だけではなくなっていました。

こうして試行錯誤を続けてつくられた
「リボルバー」の功績は、大きく二つに分かれます。

一つ目は、主にジョン・レノンのアプローチで
最先端の録音技術を駆使することで新しい音楽を創ったこと。
録音された音同志を組み合わせて違う音を創ったり、
テープに録音された音の速度を変えたり、終わりから再生(逆回転)することで、
新しい音を創ったりしました。

二つ目は、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンのアプローチで、
惜しげもなく外部の一流ミュージシャンを使って
ロック、ポッポスと違うジャンルの音楽と融合させて、新しい音楽を創ったことです。

では、具体的にどのような変革を成し遂げたのでしょうか?

リボルバー収録曲

1.「タックスマン」
2.「エリナー・リグビー」
3.「アイム・オンリー・スリーピング」
4.「ラヴ・ユー・トゥ」
5.「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」
6.「イエロー・サブマリン」
7.「シー・セッド・シー・セッド」
8.「グッド・デイ・サンシャイン」
9.「アンド・ユア・バード・キャン・シング」
10.「フォー・ノー・ワン」
11.「ドクター・ロバート」
12.「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー」
13.「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」
14.「トゥモロー・ネバー・ノウズ」

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「リボルバー」二つの革命!!①録音革命②他ジャンルとの融合

最先端の録音技術を使用して、新しい音を創り上げた!

「リボルバー」は、
最先端の録音技術を使って、どのように音楽を表現できるか?
というコンセプトに徹底して挑んだ
アルバムでした。
そして、ポップスとしての楽しさ、芸術性を保ちつつも
その手法によって、まったく新しい音楽を創ることに成功しました。

以下3曲、録音方法
「アイム・オンリー・スリーピング」
テープに録音したものを逆回転録音した。

「イエロー・サブマリン」
映画やアニメの効果音のような音を楽曲に挿入した。
潜水艦が水の中に入った音は
ストローでコップの水を吹き、
潜水艦が水からでてきたときの音は
バケツで水をだして表現した。

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」
アーティフィシャル・ダブル・トラッキング
(音をわずかに遅らせたり早めたりすること)で、
ジョン・レノンのボーカルが二重に聞こえるようにした。

変な鶏の鳴き声のような音はテープを切り刻んでを作った。
テープにはディストーションを効かせたギターやベース、
ワイングラスがぶつかり合う音などが収録されていた。

ロック・ポップスをクラッシク音楽、ジャズ、インド音楽と融合させた!

この頃になると、ポール・マッカートニーの成長が著しく、
舞台作品、アヴァンギャルド音楽、クラシックから現代作品までと、
いろんなものを吸収して、
ビートルズの文化の目利き役的存在になっていました。

以下3曲はロックを別ジャンルの音楽で演奏するという明確なコンセプトが取られいます。
「エリナー・リグビー」⇒クラッシク音楽
「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」⇒ジャズ

そして、インド文化の影響下にあるジョージ・ハリスンによる
「ラヴ・ユー・トゥ」⇒インド音楽です。

この3曲の中でも「エリナー・リグビー」はシングルにもなっており、評価が高い曲です。
「コンプリート・ビートルズ」というビートルズのドキュメントリーがあります。
ジョージ・マーチンによる曲、アルバムごとの解説が聞けるのですが
このドキュメンタリーでは「リボルバー」が最も高く評価されています。
リボルバーの楽曲群でも、各ミュージシャンの「エリナー・リグビー」への評価は高く
今までにまったくない音楽で、衝撃を受けたとのコメントがありました。

「エリナー・リグビー」は今、聴いてもさほど驚くことはないと思いますが
当時は衝撃だったようですね。
シンコペーション(食い)というクラッシクにあった手法を取り入れています。
全編で聴けるバヨリン、ビオラ、チェロは外部ミュージシャンのもので
やはり、イギリスだけあって、クラッシックを演奏させたら一流、
緊張感あるリズムを貫いています。

リボルバーは現代アートか!?「どうやって表現するか?」というアプローチを明確に提示した!

1877年、録音という発明によって、人類は初めて過去の音を聞くことが可能になりました。
そして1960年代になると、ただ録音するということに留まらず、
録音した音を再利用して、新しい音をつくるようになります。

こうして生まれていった新しい音を
創意工夫によって、さらなる新しい音に創り上げたのが「リボルバー」です。
この「リボルバー」の提示によって、ロックは「何を表現するか?」という視点から
「どうやって表現するか?」という視点が加わり、
新しい表現方法を獲得することに自覚的になっていきます。

現代アートを20世紀初めに起きたキュビスム以降と定義すれば
新しい表現方法を発見し、それを提示することで評価された
「リボルバー」は、正に現代アートと呼ぶにふさわしい作品です。

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