ビートルズの凄さとは「白人が黒人音楽（ブルース）を深く理解した先駆者」だから？
音楽をよく聴かない人から「一体ビートルズは何が凄いのか？」と聞かれたことがあります。
最初にそう聞かれたとき、
ビートルズの偉大な業績を絞って簡潔に言うのは難しいな？と悩んでしまいました。
そのとき選んだ回答は、
「黒人音楽を理解した先駆者で、それを世界中に広げ、一大ムーブメントを起こしたこと！」
というものでした。
ビートルズは、黒人音楽（ブルース）を白人風（自分流）にアレンジして新しい音楽を創りました。
その音楽は、世界中を席巻するほどの人気となります。
そんな音楽を創れたのは、ビートルズがイギリス人だったので
黒人への偏見がなく、白人が黒人音楽（ブルース）を理解した先駆者となりえたからです。
ビートルズが青春時代を過ごした１９５０年代後半というのは
アメリカでは、エルヴィス・プレスリーの登場で黒人音楽がヒットを飛ばしていたものの
まだ、黒人への差別が色濃く残っており、黒人音楽の素晴らしさを理解できる人が少なかったのです。
その点、イギリスはアメリカと離れているため黒人への偏見は少なく、
黒人音楽に熱狂する若者がたくさんいたのでした。
ビートルズの出身地であるリバプールは港町で、ニューヨークとの貿易があったため、
最先端の音楽に興味があるバイヤーが
船員にたのみ、黒人音楽のレコードをリバプールに持ち込んでいたと言われています。
それらのレコードを見つけ、聴いていたのがビートルズだったのです。
もちろん、その影響化にあったのはビートルズだけでなく、
リバプールでは黒人音楽に影響されたバンドがいくつも出現します。
これらのバンドの音楽性をマージービートとか
リバプールサウンド（リバプールサウンドは日本だけの呼称）と言います。
黒人音楽（ブルース）を理解した最初の白人は、エルヴィス・プレスリー！
ビートルズの凄さを回答したときの話に戻します。
あとになって、この回答を振り返ってみると
「黒人音楽（ブルース）を理解した白人の先駆者」
という部分では、もっと偉大な先駆者がいたなと反省することになります。
最初に黒人音楽（ブルース）を理解して、それを披露した白人はエルヴィス・プレスリーです。
最初に白人で深く黒人音楽を理解したという点では
プレスリーには誰も勝てないのだから、このポイントを真っ先に挙げたのは間違いでした。
（しかも黒人への人種差別が色濃く残っていた時代のアメリカで生まれながらです。）
エルヴィス・プレスリーの登場は、「ロックンロール」という音楽シーンをつくり、
ビートルズの登場は、「ブリティッシュインベンション」という音楽シーンをつくりました。
どちらも次々とフォロワーが登場し、彼らが音楽シーンを独占していくのですが
どちらも２～３年ほどで終焉し、次の音楽シーンへと移行していくのも共通しています。
仮にビートルズが１９６３年～１９６５年くらいまでの
「ブリティッシュインベンション」と呼ばれる音楽シーンの期間で才能が枯渇し
次の音楽シーンへの波に乗り切ることができなかったら、
プレスリーの方が偉大なミュージシャンであったと評価されていたはずです。
それは、白人が深く黒人音楽を理解し、世界的ヒットを飛ばしたという点で
ビートルズよりもプレスリーの方が先駆者だったからです。
ビートルズ以前にブルースを自作自演した白人がいた？
エルヴィス・プレスリーは作詞作曲に特化しておらず、
黒人音楽への理解度の深さでは、
作詞作曲に特化したビートルズの方が上と思う見方もあると思います。
しかし、これもビートルズよりも前に行っている白人がいます。
バディ・ホリーです。
バディ・ホリーは、’５０年代後半に全米を制したロックンロールミュージシャンの一人で
ビートルズが最も影響を受けたミュージシャンでもありました。
彼が率いるバンド、クリケッツは、
ボーカル、ツインギター、ベース、ドラム、というバンド編成で
後のブリディッシュインベンションのバンド編成のモデルとなります。
さらに驚愕なことに、彼は曲のコンポーサーでもありました。
ビートルズが出現する前の１９５０年代において、
バディ・ホリーは自作自演のバンドスタイルを確立していたのです。
惜しいのは１９５９年に飛行機事故で亡くなってしまい、活動期間が短かったことです。
ビートルズの凄さ①まとめ～白人がブルースを理解した先駆者ではあるが、先駆者という点では、それ以上の人がいる！～
ビートルズの凄さを語るとき、
黒人音楽を世界中に広げ、一大ムーブメントを起こした！
という点でビートルズに敵うミュージシャンはいません。
それができた理由とは・・・。
黒人音楽を理解した先駆者であったことが理由の一つであることに間違いはないのですが
先駆者という点では、エルヴィス・プレスリー、バディ・ホリーに譲ることになります。
では、プレスリー、バディ・ホリーにもできなかった
世界的人気を得るということをビートルズは、なぜ可能にしたのか？
続きは次回。
またビートルズの凄さについて考えていきたいと思います。
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