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ビートルズの一番の革新性は自作自演!~僕はビートルズ1巻(ネタバレ)感想~

僕はビートルズ

「僕はビートルズ」の設定の素晴らしさ!

「僕はビートルズ」は日本でビートルズのコピーバンドをしている
4人が’61年の東京にタイムスリップしてしまう話です。
そのメンバーは以下の4人です。

鳩村真琴・・・ポール役
蜂矢翔・・・ジョージ役
鷹津礼・・・ジョン役
鶴野コンタ・・・リンゴ役

この物語の主人公は、このメンバー4人ですが
話を終始リードしていくのはポール役の真琴です。
ジョージ役の翔は、真琴の親友で、真琴のあとをついていく弟分のようなキャラです。
それなのに1巻はジョージ役の翔の語りから始まり、大部分は翔の目線で話が進みます。
なので、読者は俯瞰するような少し引いたところから眺める形で読み進めるようになっています。
つまり、翔の目線で話が進む1巻は、ずっと物語の設定の説明に費やしているのです。

それだけで、ここまで物語に入り込ませるのは、いかに興味深い設定か?ということを証明しています。
しかし、この設定はいくつかの矛盾を抱えていたことが後々露わになってしまい、その解消に苦しむことになります。

コピーバンドは、「くだんねー」?

1961年にタイムスリップする前、
真琴は、リバプールで行われる「ビートルズ・コンベンション」に出場して
世界一のビートルズのコピーバンドとして認められたいと考えていました。
そのコンベンションは、世界中のビートルズのコピーバンド200組が出場し、
会場には50万人もの観客が集まると言います。

礼は「世界一のコピーバンドになってどうするんだ?」と真琴に問いかけ
真琴は「世界一になったあと2代目ビートルズとしてオリジナルの新曲を出す」と回答します。
礼は「くだんねー」と一言。

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ビートルズの一番の革新性は、自作自演に特化したこと!

礼は、ビートルズの後継バンドとしてオリジナルをだすことをくだらないと思っています。
そして、「俺は真琴よりもビートルズが好きなんだ」とも言っています。
礼は途中、自分にとって素晴らしい音楽(=ビートルズの音楽)というのは
どれだけ自己表現できたかどうか?で決まるということに気づきます。
そのための方法論として、一番最適なのは自作自演であると。
だから、礼は真琴がビートルズの音楽性を理解していないような発言をしたのです。

ビートルズの一番の革新性は、自分たちで作詞作曲し、アレンジした曲を自分たちだけで演奏することに特化したことでした。
ビートルズは、他者のミュージシャンに頼ることなく、最初から最後まで自分たちだけで完結できることを証明しました。
その方法は、誰でも一流のミュージシャンと同じ土俵に立てることを意味することと同時に
自分たちと少しでも同じ空気を吸っている人を共感させる一番の方法でもあったのです。
つまり、ビートルズは中流階級から労働者階級までの若者にとって、
最も手軽な音楽でありながらも最もディープな音楽という魔力的な音楽を創り上げたのです。

この革命によってロックは世界中に一大ムーブメントを起こすことになります。

日本で初めてビートルズが流れたのは「1964年1月10日」!

主人公たち4人は、「1961年3月11日」の日本にタイムスリップします。
しかし、このマンガのように、仮に日本発のビートルズが実現したとして
ビートルズは当時の日本人に受け入れられるのでしょうか?

日本で初めてビートルズが流れたのは「1964年1月10日」、
「9500万人のポピュラーリクエスト」というラジオ番組で「Please Please Me」が流れたのが最初なのだそうです。
ビートルズがアメリカで人気が爆発したのは、イギリスで人気に火がついてから約1年後で、
そのきっかけは「1963年12月26日」に発売された「I Want To Hold Your Hand」でした。
なので、日本でビートルズが認知されたのは、アメリカでの人気に火がついたからであって、
ビートルズの音楽性が理解されて、という理由ではなさそうです。

1961年、日本発のビートルズ人気は、あり得るのか!?

個人的には、日本発でビートルズの人気が出たとしても、アメリカ以上に長い期間がかかると思います。
渋谷陽一さんが言っていたと思うのですが、
実際に、日本でビートルズのレコードが売れた(人気が出た)のは、ビートルズが解散してからだそうです。
確かに、浅井慎平さん、小倉智昭さん、たちなど、リアルタイムでビートルズを聴いた人のインタビューでは
「初めて聴いたときショックを受けて呆然とした!」とか、「電気ショックを受けたみたいに鳥肌がたった!」など
最初からその素晴らしさを体験したという人の話も多く聞きますが、爆発的人気になることとは違うと思うのです。

しかし、このクエッションは、リアルタイムで体験した人でないと答えにならないかもしれません。
日本発のビートルズが、デビューして直ぐに人気になり得るのでしょうか?

ちなみに1961年の日本で人気があったのは、こうゆう曲です。

*1961年オリコンチャート ベスト10
1位 君恋し/フランク永井
2位 東京ドドンパ娘/渡辺マリ
3位 硝子のジョニー/アイ・ジョージ
4位 銀座の恋の物語/石原裕次郎・牧村旬子
5位 王将/村田英雄
6位 上を向いて歩こう/坂本九
7位 北帰行/小林旭
8位 コーヒー・ルンバ/西田佐知子
9位 襟藻岬/島倉千代子
10位 ラストダンスは私に/越路吹雪

僕はビートルズ(1) (モーニングコミックス)


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