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「電波の城」3巻(ネタバレ)感想~女子アナ!アイドル化時代!~

漫画評

「電波の城」3巻のあらすじとテーマ

3巻は、いよいよ天宮詩織が中央のテレビ局に殴り込みをかけます。

3巻で登場するメインキャラクターは四人です。
天宮詩織
⇒お天気キャスターとしてTV初出演。フリーアナ⇒キャスターの一歩を踏み出す。
角舘ちず子
⇒丸の内テレビのベテラン女子アナ。3巻~5巻までの詩織のライバル。
牛込局(ハンドルネーム)
⇒女子アナウオッチャー「女子アナ観測所」というブログを運営。
谷口ハジメ
⇒丸の内テレビ内で閑職に追いやられる。詩織を助ける役を負い始める。

3巻は、1巻~2巻のように頻繁に場面が変わりません。
1巻分の4/5くらいまで天宮詩織vs角舘ちず子の話のみで続き、
角館ちず子の悪役ぷっりがいいので、詩織を応援しながら一気に読ませます。
(ここで登場する牛込局(ハンドルネーム)がいい味だしてて面白いです。)
そこから1話分、谷口ハジメの話を挟んで、
4巻に向けて詩織の過去(10ヶ月前)の話に入っていきます。

10ヶ月前の話は、2巻の最後以来なので
おおよそ1巻分(4/5分)のインターバルを置いていますが、
なぜ、こんな長いインターバルを置く必要があったのか?よく分かりません。
まとめて読む分にはいいかもしれませんが、
週刊誌や単行本をリアルタイムで読んでいた人は、
前の話の詳細な部分は忘れてしまっている方もいるのではないでしょうか?
私は忘れてて読み返した記憶があります。

3巻のテーマは、牛込局(ハンドルネーム)が女子アナのオタク仲間と談義していた内容
ズバリ「女子アナとは?」ではないでしょうか?
本当、牛込局(ハンドルネーム)がいい味だしてるので、この談義の話は面白いです。
自分のことを「わし」と呼ぶところなんかオタクのリアリティを上手く表現しています。

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女子アナ、アイドル化時代はこうして訪れた!

牛込局(ハンドルネーム)は、「女子アナは、バブル期以降の傾向として
”女子アナ”=”アイドル”という卑しき前提がある。」と言います。
そして、「わしら”正しき女子アナ”保存会の萌えゴコロをソソる物件は年々減る一方ッ!!」と。

つまり牛込局(ハンドルネーム)は、バラエティ番組で芸人にツッコまれ、笑いをとる女子アナが多すぎると嘆いています。
実際に、いつからこのような状態になったのか、調べてみると
’80年代のフジテレビのお笑い番組「オレたちひょうきん族」に出演していた
山村美智子さん、寺田理恵子さん、長野智子さん、という「ひょうきんアナ」が人気になったのが最初のようです。
そして、フジテレビは女子アナアイドル化路線を決定づける三人を発掘します。
その三人が1988年採用組の有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さん、です。
その後もフジテレビは、中村江里子さん、小島奈津子さん、などの人気アナを採用していきます。
それに対抗するように日本テレビは1992年、永井美奈子さん、薮本雅子さん、米森麻美さんの
三人の局アナからなるアイドル・ユニット「DORA」を結成します。
この年を前後して他局も美人アナウンサーが増えたように思います。
TBSでは、雨宮塔子さん、進藤晶子さん。テレビ朝日では、下平さやかさん、たちです。

フジテレビが有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さん、という女子アナを採用して
女子アナのアイドル化を決定づけた1988年という年は、
日本テレビも関谷亜矢子さん、永井美奈子さん、という人気アナウンサーを採用しています。
この年の前後にテレビ局自体に採用方針の変化があったのは明白です。

’85年~’87年に社会現象になるほどの人気を得た「おニャン子クラブ」は
何も芸能技術を持っていない、
かわいい高校生というだけのコンセプトで結成されたアイドルユニットでした。
歌が上手い松田聖子や中森明菜のようにならなくても売れるという事実を知った
フジテレビは女子アナにも、同じようなコンセプトを求めたのではないでしょうか?
結果は思惑通りの大ヒット!結果、女子アナアイドル化時代が到来していきます。

報道番組のメインキャスターを務める社会派女性アナウンサーの到来を待ち望む!

こうして、女子アナはアイドル化し、採用が顔重視、個性重視になっていきます。
しかし、このアイドル化路線は、
女子アナは「かわいいけどニュースは読めない」という
イメージを世間に定着させてしまいました。

だからこそ、牛込局(ハンドルネーム)のように
「技能(実力)あってこそ評価されるべき!」という人たちも存在するのだと思います。
女性アナウンサーには
「スーツをバシッ!と着こなしニュースを読むという賢さを第一に求め、しかも美人であれば言うことなし!」
というものです。
この分野だと、田丸美寿々さん、小池百合子さん、小宮悦子さん、
最近だと、長野智子さん、滝川クリステルさん、小川彩佳さん、辺りになるのでしょうか?
確かに現在、アイドル化した女子アナに比べるとニュースを読みながら
政治、風俗、経済を勉強して社会派と呼ばれるにまでに至った女性アナウンサーは少ないです。

芸能人のようになってモテて、プロ野球選手など、お金持ちの男性と結婚するのが理由で
女子アナを目指すのではなく、世の中に伝えたいメッセージがあるから女子アナを目指す!
本城律子のような、メディアを通じて日本をいい方向に変えていこうという野心を持った
報道番組のメイン・キャスターをはれるような女性アナウンサーの到来を待ち望んでいます。

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