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「冬物語」原秀則 6卷(ネタバレ)感想・考察

冬物語

冬物語6卷の感想を1話ずつ述べていきます。

第55話 しおり+奈緒子=?

前日しおりにビンタした奈緒子は、しおりを気にして
入学しようか迷っていた専門学校の体験入学に誘います。
奈緒子らしい気のきかせ方ですね。

慶応をけった奈緒子は、
「これから働くにもバイトどまりだから資格、技術を持っておかないとならないと」と
しおりに打ち明けます。
それを聞いて体験入学したしおりは
「専門学校って大学に入れない人とか大学に落ちた人が行くところかな?と思っていたけど・・・」と
奈緒子に返します。

この漫画は、最初は「偏差値の高い大学に入るために」とか
「大学に入って何をやりたいのか?」というテーマがあったように思います。
しかし途中、大学にいこうとしない奈緒子や輝の話もでてきて当初のテーマ性が薄くなってしまいました。
今回のような「好きなことを仕事にしていくためにどうする?」とテーマは
奈緒子というキャラを掘り下げるためにも今後も描いた方が
よかったように思いますがこのテーマで描こうとしているのは今回と次回だけですね。
複雑なテーマは止めた方がいいという判断なのでしょう。

第56話 アブナイ迷教授

前回に引き続き「好きなことを仕事にしていくためにどうする?」という
テーマ性がある話ですが今回は光の話。
しかし、このテーマ性は今回でプツリと終わってしまいます。

第57話 東大うけるよ!

飲み会で「しおりちゃんは頭が良くて美人だけど性格が悪い」と
皆が言っていると、光はその意見に猛反論。
その光の発言を遅れて飲み会に来た奈緒子は、聞いてしまいました。
それを聞いているときの奈緒子は、「光は、しょーもないな」という表情で
光を好きという表情ではありません。

しかし、皆もしおりは性格悪いって思っていたんだって分かって
なんだかホッとしましたね。

第58話 突然のさよなら

皆に言われて東大を受けることにした光は、
偶然しおりと再会します。(東京で偶然誰かと会うなんてまずないですよね)
ここで光は、しおりを好きだった頃の気持ちを思い出して東大を受けることしたと
さりげなく、しおりに三度目の告白をします。
みたび光は、見事にフラれます。
もう何回光は、しおりと結ばれないという現実を知らしめられたことでしょう?
何度も立ち直ってアタックする光には感服しますが、
しおりは、なんで光を嫌にならないのかが不思議です。

落ち込む光は、気を紛らわせようと奈緒子に会いにいこうとします。
(また、このパターン・・・)
しかし、とうとう愛想がつきた奈緒子は光の前から姿を消したのでした。

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第59話 ドジ女子高生登場

タイトル通り新キャラのドジ女子高生が登場します。

第60話 奈緒子はどこへ?

光は、奈緒子の友達の由紀に奈緒子の居場所を聞きに行きます。
同じく奈緒子を探している淳も光についていきます。
由紀は、奈緒子の住所を知っているけど教えてくれません。
光は、奈緒子にしたことはひどすぎると淳と由紀の二人から言われます。

第61話 今はわからない・・・

しおりは東大しか受けない理由を「好きな人が東大にいるから」と
ドジ高生に話します。
ドジ高生は「光も好きな人が東大にいるんですか?」と光に聞きます。
光は「前はそうだったけど・・・今はわからない」と。

第62話 喫茶店の窓から

光は予備校の帰り、偶然しおりと出会います。
しおりと喫茶店で話していると
光は偶然、外に奈緒子を見つけます。
奈緒子を追おうとする光ですが、
しおりに「北海道(実家)に帰らなきゃならないかもしれない」と相談され
奈緒子を追うことをやめ、しおりの相談にのることを選択します。

第63話 ずっと前から

親に圭一と同棲していることがバレてしまい
実家に戻されるかもしれないと言うしおり。
それを聞いた光は、気になってしまい勉強に身が入りません。
いてもたってもいられなくなり、光はしおりに会いに圭一が住んでいる家へ向かいます。
途中、光は偶然しおりの母親に出会います。
最近、偶然が多すぎます・・・。(圭一の近所とはいえ)

光は、しおりの母親に
「圭一さんがいるから東大を受けるのを頑張れているんです」
「しおりちゃんには圭一さんが必要なんです」と話すと
さっき、しおりに同じことを言われたと言われます。
しおりの母親と別れると外は雨。
傘もささずにしおりのことを考えながら歩く光。
東大の過去問を捨てながら
「オレじゃダメなんだ。圭一さんじゃなきゃダメなんだ。」
「ずっと前からわかっていたんだ・・・」
とここでやっと、しおりをあきらめる決心がつきます。

第64話 淳と奈緒子と原宿で

奈緒子はアパレル関係の仕事に就き原宿で勤めています。
それを奈緒子の友達から聞いていた淳はついに奈緒子を見つけることに成功します。
奈緒子と淳は渋谷で飲むことに。
やっと奈緒子に会えたことで気持ちが抑えられなくなった淳は
帰り際、渋谷駅近くで強引に奈緒子にキスをします。

この漫画の舞台は、
ほとんどが「新宿、代々木、原宿、渋谷、恵比寿、目黒」のどこかなので
80年代という雰囲気を感じますね。

第65話 たちつくす舗道

またもや偶然。
今度は、奈緒子と偶然街中で会います。
しかし、奈緒子は淳と待ち合わせをしていたのでした。

第66話 ドン底受験生

八千代を辞め、2浪してまで日東駒専に行きたいと我がままを通した光。
それなのに模試の結果が悪いので母親からこっ酷く叱られます。
情けないことに叱られている最中も、
光はしおり、奈緒子それぞれに彼氏がいることを思い出してしまいます。
家にいれなくなった光は、一人暮らしをしている桂の家へ。
光は飲みながら親のこと、しおりのこと、奈緒子のこと、を桂に愚痴ります。
愚痴を我慢して聞いていた桂ですが、全て光の理不尽な行動が原因なのを知っているので
「全~部おめェが悪いんじゃん!あまったれてんじゃねーよ!」と
桂に家から叩き出されてしまいます。
光は、英単語帳を見ながら全然覚えてない実力に2年間何やってたんだ俺は。
どーすりゃいいんだ。と夜中の街中で嘆きます。

ここまで、奈緒子に愛想をつかれたりと
今までの行為の報いが光の身にふりかかってきましたが
今回は、2浪しても大学に受かりそうもないという追い打ちをかけられました。
本当に情けない、情けない光の話です。

普通に読めば、この話は光に嫌悪感を持ってしまうので面白く感じないと思います。
でも、つい最近落ち込んだときに、この話を読むんだら
「全部自分が悪いのは知ってる。
なんとかしなきゃならいけど、どーにもならない。」
そーゆうときもあるな、と共感できて傑作と思えるようになりました。

第66話 光くんがいたから

光が、この2年間で唯一いいことをしていたこと。
それは、しおりが落ち込んだときは必ず助けになっていたことです。
光がダメになっていることを知ったしおりは、光の家へ行きます。
しおりは、「あのときの光くんがいたから今こうして頑張ってられるの」と。
今度はしおりが光に「受験しなきゃ。合格しなきゃ。」と
光に感謝を述べ、光を励まします。

6卷まとめ

今卷の物語は、偶然に始まり偶然に終わったと言っていいくらい
偶然に出会って物語が始まる話が多かったですね。
計5回も偶然がありました。

6卷のハイライトは63話で光がついにしおりをあきらめる場面でしょうが
個人的には66話のドン底な光の方が印象的です。
普通の漫画であれば、主人公は負けるときもありますが
最終的には勝つ方が圧倒的に多いですはずです。
そうしないと読んでいてカタルシスが得られないからですが・・・
この漫画の主人公は恋愛でも受験でも負け続けるのです。
そのピークが66話で、負け続けた理由が
主人公(光)は思いやりもないし、頑張れないということで
まったくカタルシスを得られない話になっています。

冬物語は、挫折感を味わった人にこそ読んで欲しい漫画です。
メジャー誌で、ここまで主人公が情けない漫画はないんじゃないでしょうか?
落ち込んでいるときに冬物語を読むと
光に妙に共感できて癒されます。

冬物語(6) (ヤングサンデーコミックス)

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