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「冬物語」原秀則 4卷(ネタバレ)考察・感想

冬物語

「冬物語」4卷の感想を1話ずつ述べていきます。

冬物語4卷

第32話 新しい季節
光、奈緒子、しおりに新生活が始まりました。
八千代商科大に入学した光。
奈緒子は、慶応医学部をけってバイト探し。
光には、なんで慶応をけって、今住んでるマンションを出て、
実家にも戻らずに新しいマンションに住もうとしているのか話していないようです。
東大に落ちたしおりは光に黙って北海道(実家)へ帰ってしまいましたが
かわりに手紙を出します。その内容とは
「今はまだ、これからどうすればいいか分かりません。また元気になったら手紙を書きます。」
というもの。

第33話 こだわって北海道
しおりのことをあきらめきれない光は、北海道に行こうと決心します。
罪悪感をなくすためにいちいち奈緒子に断ってというズルさです。

第34話 君の住む街
しおりの住む小樽にやってきた光。
しおりの家の前でどうすればいいか分からず、いつも通りウジウジしていると
しおりの母親があの光くん?と家に入れてくれます。
しおりは友達の家に行っていつ帰ってくるか分からないといいます。
母は、帰ろうとする光を呼び止め、いつの間にか夜になって父親も帰ってきます。
しおりの父親もあの光くんか、と歓迎ムードでビールなんか注いだりしてます。
そして、ついに待ちに待ったしおりが登場。
3巻の暗いしおりではなく、笑顔でご帰宅です。
うーん、やっぱりしおりはかわいい。

第35話 ケジメつけなきゃ
光は、しおりの家に泊めてもらうという嬉しい展開に。
さらには、しおりに小樽を案内してもらうというおまけつき。
手紙の内容とは違って元気なしおりに光は、戸惑うもすっかり楽しんでいます。
光にもう一度東大を目指そうと言われると
しおりは「自信がない」と一言。
勉強のことで自信がないんじゃなさそうなので、
圭一を忘れて近くにいることができるか自信がないということなんでしょうか?

第36話 すべては風の中に
光にとって今回の北海道訪問は、奈緒子に北海道に行くと伝えたてまえ
しおりをあきらめる(=ケジメをつける)という大義名分がありました。
しかし、見晴らしのいい丘に二人きりという絶好の場所に連れて行かれた光は
いきなり、しおりに二回目の告白をかっこよくきめます。
ここでほとんどの読者は、「何なんだ?この展開は?」と思ったはずです。
いくらしおりが好きで、しおりと楽しい時間を過ごして気持ちが揺らいだからといって
奈緒子を捨てて当初とはまったく逆のしおりに乗り換えるという行動を
自信たっぷりにあの光ができるわけないと思うはずです。

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第37話 最後のぬくもり
別人かと思うくらいかっこよく告白をきめた光ですが
あっさりしおりにふられてしまいます。
最後、光と別れる際、しおりは世話になった光に握手を求めます。
光は握手に応じ、しおりの手を放そうとしたとき、別れたくないと思ったのか
再びしおりの手を握り返します。
しかも強く。ちょっとキモイ(笑)です。
東京行きの飛行機に乗った光は、涙を流します。
一方、光と別れたしおりは、別の男性と喫茶店で話しています。
その相手は、なんと圭一。
しかも二人はよりを戻していたのです。
しおりが圭一と別れたことで、どれだけ苦しんだかを
3卷の半分まるまる使って描いておきながら
こんな急展開でヨリが戻るなんてことが許されるでしょうか?
2話前までは手紙といい、光への返答といい圭一と会っていないかのような伏線を貼っているので
読者を驚かせようという意図での急展開だとは思うのですが、強引すぎますね。

第38話 会いたくて、会えなくて
38話は、光は、奈緒子に会いたいんだけど
北海道で散々奈緒子を裏切って帰ってきたので会いづらいという話。
普通の感覚では罪悪感で会えないと思いますが、光は会いに行ってしまうんですね。
奈緒子は、無愛想に一言「おかえり」と。
北海道のことを聞かないのがいいですね。

第39話 八千代大好き
奈緒子の友達、由紀は八千代商科大の3年生だった。
そして由紀は、慶応のテニスサークルに所属。
そのサークルで光は、どこの大学?と聞かれ八千代と言えず
代わりに由紀が答えてしまいます。
39話は、慶応生の前で八千代商科大学とは恥ずかしくて言えないという話です。

第40話 イージー・ゴーイング
奈緒子は、慶応をけったはいいけど
やりたいことが見つからなくて悩んでしまいます。
みんな、やりたいことを目指して頑張っている人なんて
めったにいないと奈緒子を励ますのですが
光が、俺も同じだと。だから八千代商科大をやめたいと。言い出します。
何なんだー!

第40話 忘れ得ぬ面影
光は休学届を大学に提出します。
偏差値の低いという理由だけで、八千代商科大を辞めるという光・・・。
そこに居合わせた奈緒子の友達の由紀がしおりに似ているので
由紀を見ながら光はしおりちゃんを忘れられていないのかな?という話。

第41話 現役予備校準備生
光の弟、輝が主人公の話で、
輝が高校3年のため大学受験をどうするか?という内容。
輝は、4卷では度々登場したのですが
奈緒子とのからみがうまくいかなかったためか
5卷以降は登場回数が減っていきます。
代わりに淳という高校3年生が登場します。

4卷まとめ
3卷と違って4卷の出だしは新生活が始まったという感じで明るい出だしです。
光がしおりのことが心配でしおりの実家の小樽に行くのは話の展開としてはいいですね。
小樽でしおりに会ったら落ち込んでいる様子がなく、
観光地でしおりとデートのような展開になるのも久しぶりに明るい話でいいです。

でも、奈緒子に断ってしおりに会いに行く光の心理、
奈緒子に断って小樽に行っておきながらしおりに告白するという光の行動が
理解できないので読み進めるうちに「??」となってきます。
そして、しおりと圭一がヨリが戻っているという急展開も理解不能です。
さらには、光は奈緒子を裏切ったうえに1浪してやっと合格した八千代商科大を
偏差値が低いという理由だけで辞めるというわがままな行動をとり続けます。

このマンガは受験の話なので1浪目の受験が終わってしまったため
4卷は、今後どう話を進めていこうか作者が迷走に迷走を重ねているという印象です。
●光は、落ちこぼれだが、マイペースで頭悪いことを気にしていない。
●しおりは、東大のみを目指す秀才でしかも美人。性格は、まじめなお嬢様タイプ。
●奈緒子は、慶応医学部を目指す秀才で、明るい性格だが受験に失敗しコンプレックスも持っている。
この三人の素晴らしいキャラ設定は、予備校生だから成り立っていた部分もあり
予備校生でなくなってしまったことで三人の魅力が落ちてしまったのは、勿体ないです。
小樽に行く話などは、受験が終わる前に描いていれば違った展開になって
良かったのでは?と勝手に思います。(映画はそうしています)

冬物語(4) (ヤングサンデーコミックス)

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