進撃の巨人 感想

「進撃の巨人」8巻が8月9日発売されました。
6巻、7巻を読んで見切りかけていたのですが
8巻が素晴らしい内容で、全巻読み直してしまいました。

全巻読んで、思うことがあったのでレヴューしたいと思います。

この漫画を知ったのは「人生が変わる一分間の深イイ話」で
お笑い芸人の徳井さんが紹介してたのを観たのがきっかけでした。
この時点(2010年10月)で1巻が6回重版されていたので、
既にブレイクしていたということなんでしょう。
そして、「このマンガがすごい!2011年版」でオトコ編1位で紹介され、
しばらくして4巻が出版されると、4巻の帯に累計400万部突破と刷られていました。
4巻発行時に1巻当たり100万部越えというのは
「鋼の錬金術師」以上の売れ方です。

一体何が、この漫画の魅力なのでしょうか?

一つは、細部までこだわった世界観を作り上げた設定力でしょう。
この漫画はアニメの「新世紀エヴァンゲリオン」と設定上の共通点があります。
「圧倒的強大な力を持ち、正体不明の敵と戦う」という点と
「世界観そのものが謎に包まれており、次々と謎が提示されていく」という点です。
エヴァンゲリオン同様、敵の正体を知ることが一つのテーマになっており、
主人公たち登場人物が所属する軍隊、城砦(この漫画では町、国、自体が城砦となっている)など
誰に、何故、どうやって、つくられたのか、それ自体も謎として描かれ、
物語の進行上の重要なファクターとなっています。

二番目は伏線をはる上手さです。
謎を提示する際に、謎解明のヒントとなる伏線がはってあります。
当初読んでいるだけでは意味不明であった台詞も後々事実が解明するに従って
台詞の意図が分かるようになります。
最新8巻を読んで、最初から読み直すと
敵は外だけでなく内側にもいるのでは?と思わせる伏線が所々にあったのが分かります。

三番目は、主人公の意思の強さを上手く描いていることでしょう。
「夢、目的を達成するにどんな苦難をも乗り越える意思」を持つという主人公は
少年漫画の王道パターンで、この漫画もそのパターンなのですが、
その意思がとても分かりやすく伝わってくるのです。
というのは、世界観にリアリティがあるためか、絶望的状況が非常に上手く描かれていて、
しかも、その絶望感というのは人類にとっての絶望なのに主人公はあきらめないんですね。
私なんかは、一人の少年が頑張ったところでと思ってしまうのですが・・・。
何故、そんな意思を持てるようになったかという理由も納得なので
余計に感動してしまう。

と、長所を三つ挙げましたが、この漫画は短所が非常に目立つのも事実です。
登場人物が多いにも関らず、人物に特徴がないので
読んでいて、誰が誰だかすぐに一別できないこと。
絵の構図、遠近感がおかしいこと。
コマ割が下手なのか読みにくかったり、など
他のヒット作と比べると技法的な部分で劣っている箇所が多い。

それでも売れているということは
伝えたいことが面白さとなって伝わっていれば
多少読みにくくても成立するのが漫画なんだと、サブカルチャーなんだと改めて思いました。

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