スポンサーリンク

「冬物語」原秀則 2卷(ネタバレ) 考察・感想

冬物語

前回に引き続き2卷も1話づつ感想を述べていきます。

冬物語2卷

第10話 なんなんだ、奈緒子
しおりをあきらめるため東大専科コースから私立文系コースへ変更した光。
ここは東大専科とはまったく違う授業風景。
先生におもしろい雑談を要求し、おもしろ話がないと分かると
授業をきかずに雑誌を読みふける生徒たち。
おそらく、ここは私立文系でも最下層の日東駒専を目指すコース?

私が予備校に通っていたときは、
実力に合わせて私立文系は3コースくらいに分かれていました。
確か・・・
「慶応・早稲田・上智コース」、
「明治・中央・立教・青山学院コース」
「日大・東洋・駒澤・専修コース」
みたいな感じだったと思います。

ここで、もう一人のヒロイン倉橋奈緒子が登場。
気の弱い光をいじりまくります。
光をいじめているようにみえるけど、誰より光に優しい。
クラスにいましたね、こうゆう女の子。

第11話 とまどいの日々
授業をさぼりまくる奈緒子とその友達。
意志の弱い光は奈緒子たちに流されて、一緒にスキッピングスクール!
オヤジ(奈緒子の友達)は日芸に行って映画監督になることが夢。
そんなオヤジに自分も授業をさぼっておきながら光は
「予備校をさぼっていたら、日芸に受かるわけない」と
言い放ちます。

奈緒子は光に「じゃあ、あなたはどこの大学に行きたいの?」と。
光の答えは「少しでも偏差値の高い大学に行きたい」。
奈緒子は、自分を棚に上げてオヤジに説教した光に怒りまくるのですが・・・
ふと、疑問がわいてきました。
なんで行きたい大学もない光が東大専科コースにいたのか?
光は、照れながら小さな声で
「好きなコがいたから・・・東大を目指している好きなコが・・・
いたから・・・だから・・・」と告白します。
奈緒子は、こらえるように腹を抱えて笑っていましたが、
ここは、ほとんどの読者が奈緒子に同化したんではないでしょうか?
私も笑ってしまいました。

でも奈緒子は、そんな光をカッコいいって笑って別れるんですよ。
奈緒子は、いいコって思えるシーンです。
そんな光をカッコいいと思えることが素晴らしいし
それを笑って自然と言えるなんて・・・。

11話は、
講義をさぼって夢を語っちゃったり、異性に惹かれたり、と
大学生・予備校生の日常が
(これは漫画だからだけど、予備校生にこーゆう日常はないでしょ?)
リアルに描かれてて、この漫画の中で一番好きな話です。

[ad#co-2]

第12話  いきなりKISS
12話は奈緒子が、光にしおりちゃんという好きなコがいることを知って
不機嫌になる内容。
11話までは完璧な内容だったのに
ここから少し話がおかしくなっていってしまったかな?
奈緒子と光のような関係の場合、
奈緒子は、光を大切な存在と分かっていても
好きだと自分で自分を認めるのに時間がかかると思うんです。
それが、酔っていたとはいえ、奈緒子が光にキスしちゃうんですよ?
キスはいかんでしょ。キスは。
奈緒子は、そこらへんのアホな女の子じゃないんだから。

第15話 ひょっとして恋敵
13話は、しおりちゃんと彼氏との関係がうまくいっていないっていう話を
読者に告知しましたっていうような内容。
この二人のエピソードは、この話も含めてどの話もおもしろくないなあ。
14話は、光と奈緒子との関係をもう少し縮めるようなエピソード。
2卷は、こうゆう話を永遠描いて欲しかった。

そして、早くも15話で、
奈緒子がしおりちゃんに宣戦布告(=恋敵宣言)します。
その方法もスリリングに描かれていて、奈緒子の度胸にビックリしちゃいます。
笑って好きな人に「わたしは本気だからね!」と言う奈緒子は、かっこいい。
この漫画は、登場人物が何かを告白する話は、本当よくできていると思います。
・・・が、奈緒子が何で光のことをここまで好きになったのかが
理解できないというのがほとんどの読者の感想ではないでしょうか?
恋敵に宣戦布告するということは、よほど好きってことです。
奈緒子はいいコに描かれてるのに
光は、まったくそーゆうエピソードがないんですよね。

第17話 今は光だけ
16話は宣戦布告されたしおりちゃんが
なんとも思っていなかった光にヤキモチをやいてしまう内容。
16話は良かったんだけど、
17話は、光が「今は、あなただけ」と言う奈緒子に欲情してしまって
奈緒子を抱きしめるという話。
女の子の部屋で二人で飲んでいて、
かわいい女の子にそう言われたら、そうなるでしょ?という展開なので
物語としては何も面白くない・・・。
光には、しおりちゃんを思い出して、雰囲気に流されて欲しくなかった。

第20話 そろそろ決めなきゃ志望校
18話は奈緒子を抱きしめた光が熱いキスをするという冒頭から
一方、しおりは彼氏の圭一と一線を越えられないという話。
19話は、しおりが好きなのに奈緒子とキスしたことに複雑な心境・・・
という悩める光の話。どーでもいい話ですね。
20話は、やっと光と奈緒子と楽しい日常を描いたか、という話で
4話ぶりにいい話。
冗談をいいながら志望校をどこにしようか?という話題だけの話ですが
夢とはいかないけど、無責任ながらも二人の将来について笑いながら
語りあっているのって、ノホホンとした感じで好きです。

2卷まとめ
光と奈緒子との距離をもう少し置いておいても良かったんじゃないかと。
2卷くらいまでは単なる友達くらいの関係でも充分おもしろかったと
思うんだけど、無理に三角関係にしようとした意図からなのか
奈緒子が光に惹かれていくのが、違和感あるし、時間も早すぎる。

う~ん?という話も数話あったけど、
トータルとしては1卷に次ぐ、素晴らしい出来だと思います。

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ
にほんブログ村

冬物語(2) (ヤングサンデーコミックス)

[ad#co-2]
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました