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「電波の城」21卷(ネタバレ)感想。真実の暴露=正義ということ。

漫画評

今日は昨日に引き続き「電波の城」の感想です。(21卷)

電波の城 21 (ビッグコミックス)

21卷は衝撃的内容でした。
冒頭の212話~214話までを読んで
今までの話は、この布石だったのか?と鳥肌がたちました。

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17卷の谷口くんの台詞
「毎日誰かを刺している。毎日誰かが隠したい秘密を暴き、誰かを傷つけている。
 だから、いつか自分たちが刺されることを拒むことはできない。」
この台詞は、メディア関係者の建前的発言です。
詩織の過去を暴こうとした三隅は
「ジャーナリストとして真実を追求したい」と詩織に言い放ちます。

この台詞だけを聞けば、確かにそうだ!と三隅に賛同すると思います。
でも、この物語の私たち読者は詩織の壮絶な過去を知っています。
詩織の壮絶な過去とは
母親が犯罪に加担してしまったために
その罪を子である詩織が背負っていかなければならないのか?
父、理一はそれを背負わせるわけにはいかないと
命をかけてまで詩織の幸せを祈って育てたのです。

命をかけてまで暴露されることを恐れた真実。
それを暴露するということは、自らも命をかけなければ成立しない行為なのです。
三隅にその覚悟はあったのか?

なかった。
だから不用意に取材して知った気になって
一回会っただけの本当は知りもしない詩織を自宅に招いてしまった。

確かに真実を追求するということは正しい。
それは命をかけてまでやり遂げる価値があると思います。
詩織の過去を公にすることは
これから生きていこうともがいて生きていこうとする人たち、
日本という国をより良い国にしようとする人たち、
にとって非常に価値があるものになるはずです。

現実には、本当にそう思って報道に携わっているメディアの人は何人いるんでしょうか?
毎日のようにテレビを観ていて、そう感じることは何年かに一度あるかないかです。
テレビを観ていると、それは建前だと知らされます。

現実には、真実を暴露するという行為は
理想を建前にして他人の衝撃的な内容を報道し、金儲けしたいという
自己中心的な行為に過ぎません。

詩織は三隅に銃をつきつけながらこう言い放ちます。
「他人を刺すことは大好きでも自分が刺されることは大嫌い!
それがジャーナリストの最大公約数じゃなくて?」と。

テレビを観て、新聞を読んで、本当にそう思いますね。
報道した責任も取らないで、権力者の誹謗中傷ばかり。
権力者の批難だけで成りった時代は30年以上も昔。
それに気づかず、未だにそれを繰り返すテレビと新聞。

漫画は、それを批判できる。
「電波の城」はそう語っています。
こうゆう漫画があるというのは、今の日本の救いです。
日本が世界に誇れるサブカルは漫画、アニメだけですかね?
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